便秘のねこさんのフードってどんなものが良いのだろう。
便秘ねこさんのフードを考えるにあたり、便秘とはどんな状態のことか、その症状や原因についても少しまとめてみたいと思います。
まず、便秘の概念についてですが、便秘とはいつもより排便回数が減る、または排便が困難になり腸管に長く便がとどまることを言います。
便秘の症状としては、下記のようなものが見られます。
- トイレの滞在時間が長い
- 何度もトイレに入るが、何もせずに出てくる
- 排便時に鳴いている
- 便が固くコロコロしている
(健康な便は、大人の人差し指以上の長さで、水分を十分に含んだツヤのある状態) - お腹を触るといやがる
ねこの便秘の原因
ねこの年齢・体型・種類
ねこは高齢(シニア)になると、体の水分量が減って便がつまりやすくなると言われています。さらに、老化の影響で便を出すための筋力や腸の働きも低下することから、排便がうまくできなくなることがあります。
また、肥満のねこさんは運動不足であることが多く、動かないことで腸の動きが鈍くなり、排便がうまくできなくなることがあります。
しっぽが短い猫種であるマンクスは、しっぽや腰を構成する骨が変形する先天的異常が見られます。このことから、排便時にいきむ力が弱くなるなど腸に障害が起きやすく、便秘にもなりやすいとされています。
生活習慣・ストレス
水分を十分にとれていないと水分不足によって便が固くなってしまい、これが便秘の原因となることがあります。特にねこさんの動きが減り易いといわれる冬時期には注意が必要です。
ねこの理想的な飲水量は体重1㎏あたり、約50~60mlと言われています。4kgのねこさんだと約200~240mlですね。ただし、多くのドライフードの約10%、ウェットフードの約75%は水分であるため、この点も考慮する必要があります。飲水量は便秘や他の病気にも関係してきますので、毎日どのくらい飲んでいるかをしっかり把握して、突然飲水量が増えたり減ったりした場合は獣医さんに相談することが大切かと思います。
また、工事などの騒音や環境の変化などによるストレスの影響で自律神経律が乱れてしまうことにより、腸の働きが悪くなってしまうことがあります。これにより、便が腸内に長く留まることとなり、便の水分が腸に吸収されてしまうことから便が固くなってしまうことが便秘の原因となり得ます。
さらに、ねこはトイレが汚れていたり、気に入らないトイレやトイレ砂だと排泄を我慢してしまうことがあるため注意が必要となります。
病気
ねこさんが慢性の腎臓病を発症すると、おしっこの量が増えて体内の水分不足が生じることがあります。これにより、便秘になることがあります。
また、足腰の骨や関節、神経に異常が起こると排便時に踏ん張れずにうんちの回数が減ってしまい、便秘になることも考えられます。
ちなみに我が家のねこさんは、軽微ですが馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)という腰と尻尾の間にある神経(馬尾神経)が圧迫されることで痛みを感じる病気を発症しているため、踏ん張ることが中々大変そうです。毎日、数回に分けて少しずつ排便しているという状況です。
便秘ねこさんには、どんなフードが良いとされているのか。
食物繊維がバランス良く含まれている
便秘のねこさんには、食物繊維がバランスよく配合されたフードを選ぶことが大切です。
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維には吸着性があり、小腸でコレステロールや胆汁酸を吸収して、スムーズに体外に排泄できるようサポートします。また、水に溶けずに水分を吸収してふくらむ不溶性食物繊維は、水分を含んで便のカサを増やして腸を刺激してスムーズな排便を促す働きをします。
腸内環境を整える成分が含まれている
乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、腸内の善玉菌を増やして消化吸収の健康を維持する働きがあります。このため、プロバイオティクスの餌となる食物繊維やオリゴ糖の摂取が大切です。
適度な脂質が含まれている
脂質は、硬くなった便の滑りをよくして排出を促す作用があります。ただし、取りすぎで下痢になってしまうことや、膵炎など脂質摂取量に注意が必要な病気を持っている場合があることを知っておく必要があります。
我が家セレクト 便秘ねこさんへのおすすめフード
我が家のねこさんが実際に食べている便秘用フード1種と便秘に良いとされるフードで今後導入も考えているフード1種をご紹介します。
余談ですが、我が家の便秘持ちねこさんは、アレルギーも持っているためにフード変更は慎重に行っております。このため、基本的にはなにか体調や病状に悪影響がでたり、飽きてしまうことがない限りは変えない方向で考えています。
ロイヤルカナン猫用 消化器サポート(可溶性繊維)
ロイヤルカナンの消化器サポート(可溶性繊維)は、動物病院でもよく扱われている便秘のための療法食です。消化管の健康維持に配慮して高消化性に設計されており、さらに複数の食物繊維をバランスよく配合しています。また、可溶性食物繊維を豊富に配合していることも便秘に良いとされる点です。
我が家のねこさんはドライフードを2種食べているのですが、その内の1つがこちらのフードです。フードの形は、ヒトデのような不思議な形状となっています。サイズは大きくもなく小さくもなくで食べやすい大きさだと思います。
我が家の便秘持ちねこさん、アレルギーの他に慢性膵炎も発症しておりまして、そのためにあまり繊維が多すぎても消化に負担がかかり過ぎて良くないと獣医さんから言われております。そのため、こちらのフードを便秘に好影響、膵炎になるべく悪影響を与えないような量、あげたいと考えています。
具体的には、全体のカロリー数の内どのくらいを消化器サポート(可溶性繊維)にするかを計算して、いい感じのうんちの硬さになる量になるように少しずつ増やしてみました。本来は乾燥重量の繊維量(g)などを細かく計算すると良かったのかもしれませんが、ねこさんの便秘には繊維が豊富なフードがどのくらい必要かが分かれば、方法は飼い主さんの分かり易いやり方で良いのではないかと思います。もちろん試す際は、事前に獣医さんに相談することも大切です。
ちなみにですが消化器サポートには、「可溶性繊維と付いているフード」と「付いていないフード」の2種があるので注意が必要です。便秘用は、「可溶性繊維と記載がある方のフード」になります。
ベッツワンベテリナリー 猫用 消化器ケア 可溶性繊維 (チキン、フィッシュ)
ベッツソリューションは、療法食を必要とする犬猫や家族のために、1963年にスタートしたイタリアのプレミアムフードのメーカーです。そんなメーカーさんから発売されている消化器疾患の猫に配慮し、特別に調製された食事療法食です。
高消化性の原材料を使用し、可溶性食物繊維を増量して、さらに脂肪の含有量を調整しています。この点からも便秘には良さそうだなと導入候補として考えているフードです。チキンとフィッシュの2種類がある点も好みで選ぶことが出来て良いなと思っています。
こちらもロイヤルカナンと同様に可溶性繊維と付いているものが、便秘用のフードとなります。
お薬やサプリ
便秘解消や腸内環境を整えるサポートをしてくれるペット用のお薬やサプリがあります。
我が家では、動物病院から処方されたビオイムバスターという整腸剤を1日1回、お昼のごはん時に飲んでいます。癖のない薬のようで、餌と間違えるのか錠剤を薬単体でペロっと食べてくれています。
市販のサプリも様々な種類があるようですが、一度獣医さんに相談をしてからの導入が安心かなと思います。
まとめ
ねこさんは、毎日または1日おきにうんちをする子が多いものの、ねこによって排便パターンが異なります。そのため、日常的に排便のリズムやトイレの滞在時間などを知っておくと、便秘の早期発見につながるかと思います。
便秘には、大きくは「食」と「運動」、「生活環境」といった点を改善していくことが必要とされます。
腸内環境を改善するフード、適度な運動で腸を動かし、ストレスのない生活環境を保つということが大切です。全てを完璧に行うことは難しいかもしれませんが、1日に1回は一緒に遊んで運動をしてもらい、トイレをきれいにして気持ちよく使ってもらうなどできることから初めてみることが良いと思います。また、フードやサプリなどはしっかりと獣医さんに相談して、サンプルなどを頂いて試してみることが必要だと思います。
また、排便が3日以上ない場合や、辛そう、食欲がない、元気がないなどの症状がみられる場合はすぐに動物病院に相談して頂ければと思います。便秘というのはあなどれないものです。