糖尿病ねこさんのキャットフード選び

糖尿病のねこさんのフードってどんなものが良いのだろう。

ねこさんのフード選びは、多くの飼い主さんが悩むものことかと思います。
特にインスリンを打つ糖尿病のねこさんにとって、食べるということはとても重要なことです。

本記事では、実際に糖尿病のねこさんと暮らす管理人が、糖尿病ねこさんのフードについてどのように選んでいるかについて経験を踏まえて書かせて頂きます。

実際の食いつきについてもレビューしますので、糖尿病のねこさんのフード選びに不安をお持ちのオーナーさんには特に参考にして頂けるのではないかと思います。

目次

ねこさんのフードの栄養成分について

フードの炭水化物(糖質)の計算方法

炭水化物(糖質)(%) = 100(%)-( タンパク質(%) + 脂肪(%) + 繊維(%) + 灰分(%) + 水分(%) )

炭水化物(糖質)は、フードのパッケージに記載が無いことが多いです。

その際の炭水化物(糖質)の算出方法は、全体100%からタンパク質、脂肪、繊維、灰分、水分を引くという方法です。上記5つ以外にも成分はありますが、5つに比べて割合いが非常に小さいため、糖質算出に含めなくても大きな影響は無いと言われています。

糖尿病のねこさんのフードでは、含有炭水化物は概ね30%以下が良いかと思います。実際に糖尿病用のフードの炭水化物は、25~30%であるものが多いです。

糖尿病にはどんなフードが良いとされているのか。

糖尿病のねこさんは、人間と同様に炭水化物が低いフードが良いとされています。また、繊維が多いと糖の吸収が穏やかになるため血糖値の上昇が穏やかになると言われています。
ただし、注意が必要なのは糖尿病のねこさんが他に病気を併発している場合です。我が家のねこさんは、糖尿病+膵炎です。そのため、膵炎のねこさんにはあまり良くないと言われている脂質や消化に少し負担がかかる繊維についても考える必要があります。また、腎臓が悪いねこさんであれば、タンパク質が高いフードは推奨されていません。

ここで難しいのは、上の栄養素算出式です。炭水化物、タンパク質、脂肪、繊維で概ね100%近くなるため、ご想像の通り、こっちの栄養素が小さいとそのかわりにこっちの栄養素は高いとなってしまうわけです。特に多くの病気を併発しているねこさんだとフード選びの難度も高くなってしまいますね。

余談ですが我が家のねこさんは、ドライフードに関してかなり飽き性で概ね半年くらいで食べなくなってしまいます。このため、我が家では、獣医さんからお話頂いた点である「食べることが最重要である」ということを年頭にしてなるべく身体に良いものを選べるように日々頭を悩ませています。

我が家セレクト 糖尿病ねこさんへのおすすめドライフード

我が家のねこさんが実際によく食べてくれた糖尿病用のドライフードを3つご紹介します。

ロイヤルカナン 糖コントロール

ロイヤルカナンの糖コントロールは、動物病院でもよく扱われている糖尿病用の療法食です。
フードは四角形で紹介する3つのフードでは最も大きいサイズとなっています。こちらは獣医さん情報でも好んで食べるねこさんが多いそうです。始めは動物病院んでサンプルを頂いて、その後に最も小さいサイズである500gを試してあげるといいかなと思います。
我が家のねこさんも糖尿病になったばかりの時期、そして休止時期をはさんで現在もまたよく食べてくるフードです。(だいたい半年くらい休止期間を挟むとまた食べてくれるという飽き性ねこさんです。)

アニモンダ インテグラ プロテクト 糖尿ケア

アニモンダは食肉調達から製造・加工まで、すべてを自社管理を行いさらにヒューマングレードをうたっているペットフードメーカーです。インテグラプロテクト糖尿ケアのサイズは、かなり小粒です。小さい故の食べやすさがあると思います。また、香りはかなり強めかと思います。
我が家の飽き性なねこさんも、半年近くは美味しく食べてくれていました。

ベッツソリューション 糖尿病サポート

ベッツソリューションは、療法食を必要とする犬猫や家族のために、1963年にスタートしたイタリアのプレミアムフードのメーカーです。そんなメーカーが自信をもっておすすめするグレインフリー療法食ということです。
サイズは、ロイヤルカナンとアニモンダの糖尿病食の中間といった大きさとなっています。
我が家の飽き性ねこさんは、こちらは約3か月くらい食べてくれました。

栄養素のまとめ

上記であげた3つのフードについて栄養素の概要をまとめておきます。
炭水化物は概ね25%前後です。ロイヤルカナンはタンパク質、アニモンダは脂質、ベッツソリューションは繊維が他2つと比べて高くなっているという特徴が分かります。

ロイヤルカナン
糖コントロール
アニモンダ
インテグラ プロテクト
糖尿ケア
ベッツソリューション
糖尿病サポート
炭水化物26.6%24.0%25.0%
たんぱく質44.0%40.0%36.8%
脂質10.0%15.0%10.5%
粗繊維5.6%2.0%8.4%
灰分7.3%6.0%7.3%
水分6.5%6.0%6.0%

糖尿病ねこさんへのおすすめウェットフード

ドライフードはその形状を形作るためには、どうしても穀物類や芋類、豆類といった、原料が必要になります。そのため、ウェットフードに比べてどうしても炭水化物が多くなります。ドライフードはその分、低コストと手軽さを実現しているため一概にどちらかのみとも言えず、ねこさんの健康を第一にバランスを見てフードを考えることが良いかなと考えております。
ウェットフードにも、糖尿病用のフードがありましてこちらは我が家のねこさんが食べたことがあるフードをあげさせて頂きます。

ロイヤルカナン 糖コントロール パウチ

ロイヤルカナン 糖コントロール パウチはドライフードでも挙げた糖尿病用フードのウェット版です。炭水化物の含有量を2.6%と低く、良質なタンパク質を増量しているウェットフードです。

我が家のねこさんは当初こちらのパウチを食べていたのですが、半年ほどで飽きてしまいました。やはり、味が一種類というところが飽き性のねこさんには合わなかったのかもしれません。今は違う味の種類が多いウェットフードを食べてもらっているのですが、糖尿病のウェットフードを何種類か用意して交互にあげるという方法でもよかったかもしれないと今は考えています。

アニモンダ インテグラ プロテクト 糖尿ケア

アニモンダについても、ウェットフードがありましてしかも6種類の異なる味があります。これは他の療法食メーカではあまり見られないことかなと思います。

我が家でも見つけたときに早速試してみました。結果…全く食べてもらえませんでした。どうして食べてくれないんだろうと観察してみると、まずはフードの香りがあまり好きではないようでした。そのため、顔を背けて全く食べようとしません。次に私が香りを確認してみましたところ、他のウェットフードでは感じたことのない酸味のある香りがしました。これは決して腐敗臭ではなく、ねこが特に好むとされる酸味で肉や魚に多く含まれているグルタミン酸などのアミノ酸の味です。おそらくそんな高級なフードを食べたことがなかった我が家のねこさんは、美味しいごはんという認識が出来なかったのかもしれません。ねこは小さい時に食べていないものは、年をとってもあまり食べないとも言われているそうですので。


食べてほしい。糖尿病ねこさんの食事の工夫

まずは、食べてもらう工夫をすることになるかと思います。
我が家の糖尿病ねこさんは、食欲が特に旺盛ではなく・・ボール遊びの方が好きですぐに食事以外のことに気がそれてしまいます。そんなねこさんを相手に色々と試したことをまとめてみます。
正解はありませんが、とにかくチャレンジしてねこさんに合う方法を見つけていくことが必要とされます。

  • ドライフードにフリーズドライ(魚・鶏)をふりかけた
    →どんどんとふりかけの量が増えていった。食べてみると塩分が高いことが気になりやめた。
  • ドライフードを複数混ぜた
    →好きなフードだけ食べるようになった。あまり効果が無くてやめた。
  • ドライフードを定期的にかえた
    →飽きてあまり食べなくなってきたら、フードを変更する。そのために上で挙げた3つの餌を常備した。
  • ウェットフードをとりいれた
    →複数回のごはん時間でドライのみ、ドライ+ウェットの時を作った。ウェットはドライを食べないと出てこないとしたところ、ドライも良く食べるようになった。本当に食べない時はウェットのスープ部分をかけた。

我が家では最終的には、③と④が現在採用されている状況です。

ちなみに我が家のねこさんは、半年ほどで飽きるみたいです。ただ、ねこは調子が悪いときに食べていたフードを毒?と思ってしまう性質があるそうなので、もしかしたら糖尿+膵炎持ちのねこさんが調子が悪いときにフードを危険として認識してしまった可能性もあるかなと思っています。真実はねこさんしか分からないところですが、我が家ではとにかく食べなくなったらフードチェンジをしています。もちろんフードチェンジをすることは血糖値に関わってきますので、しっかり獣医さんに相談することが大切です。うちのねこさんはですが、上であげた3つのフードでほとんど血糖値の曲線が変わらなかったので、少しずつ変更することをしています。
初めてのフードに変える際は、やはり半日~数日入院して血糖値曲線を確認することが必要かと思います。それが難しい場合は、家で血糖値を測ってみるということも良いですね。

どうしても食べない場合は、どうすべきか。

糖尿病ねこさんであることから、血糖値を下げる薬やインスリン注射が必要かと思います。

投薬やインスリン注射を行う前提には、フードを食べて血糖値がある程度上がっていることがあります。
フードを食べない場合、8割食べているのか、半分食べているのか、全く食べていないのか、その時の体調(病状)によっても対処方法が異なります。

例えば、自宅で緊急的に血糖値の情報が必要な場合は、耳などで行う簡易血糖値測定器を用いることがあります。

その他ですと、このくらい食べた時はインスリンをこのくらい打つということを獣医さんと作戦を立てておくことなども重要かと思います。

糖尿病になってから期間が経つと、少しずつ食べた量とインスリン量の相関が分かってきます。これは体調によっても代わるので、その都度担当の獣医さんに相談すると良いかと思います。家でフードを食べてインスリンを打つことから、最後は飼い主さんの経験が活かされます。
フードを食べた量、食欲、インスリン量、血糖値などは、1日ごとの簡単な日記にしておくと後から確認が出来て便利かと思います。

まとめ

糖尿病に良いフードを選ぶことは大切な事です。ただし、一番重要なことは、「そのフードは、ねこさんにとって実際にどうか?」と考えます。

選んだフードを食べてはじめて、ねこさんのお腹の調子は良いか、毛づやはどうか、健康診断の結果に変化はないか、そして美味しそうに食べているかなど。

人間も同様ですが良いとされた食べ物でも、人によっては身体に合わないということはあります。身体に良いフードだから良いではなく、実際に食べたねこさんはどうだろうか?がとても重要ということを念頭にフード選びが出来たら、きっとねこさんにとって良いフードが選べるのではないかと思います。

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